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企業のコンプライアンス|見落としがちな廃棄物処理のリスクと対策

廃棄物処理に潜むコンプライアンスリスク

昨今、企業に対するコンプライアンス違反への監督は一層厳しくなっており、廃棄物管理の不備も重大なリスクとしてとらえられています。特に廃棄物の処理は、法令・現場運用・業者対応など関係者も多く全体を整理するのは簡単ではありません。

本記事では、廃棄物処理がコンプライアンス違反になる可能性からそれを防ぐ方法について解説しています。

 

1.コンプライアンスとは

コンプライアンスの概念

「コンプライアンス(compliance)」とは、法令や社会的規範、企業倫理を遵守することを意味します。
日本では「法令遵守」と訳されることが多いですが、単に法律を守るだけでなく、企業が社会の一員として適切な行動を取ることも含まれます。


特に製造業や建設業、流通業などでは、「労働安全衛生法」「消防法」「廃棄物処理法」など、日常業務の中で遵守すべきルールが多数存在します。こうした法令を守ることはもちろん、社内の倫理基準や取引先との信頼を維持するための行動も、広い意味でのコンプライアンスの一部です。

つまり、コンプライアンスとは「企業の信頼を守る基盤」であり、組織の健全な運営に欠かせない考え方といえます。

コンプライアンスの重要性と違反のリスク

近年、企業の不祥事や法令違反に対して、社会の目はますます厳しくなっています。
一度でもコンプライアンス違反が発覚すれば、企業の信用失墜・取引停止・行政処分など、事業継続に大きな影響を与えかねません。

特に「廃棄物処理」に関しては、廃棄物処理法に基づく排出事業者責任があり、「知らなかった」「委託業者に任せていた」では済まされません。

実際、委託契約書や許可証の管理不備、マニフェストの誤運用などが原因で、意図せず廃棄物処理法違反に問われるケースも少なくありません。

こうした違反が発生すると、

  • 行政指導や罰則による経済的損失

  • 取引先や顧客、社会的信用の低下

  • 社内外への説明・再発防止策にかかる時間的コスト

といった複合的なリスクが発生します。

そのため、廃棄物処理のように外部委託が多い業務では、現場任せにせず、法令・契約・運用の3つの側面から点検・改善を行うことが求められています。

廃棄物担当者の入門ガイド

 

2.コンプライアンス違反になるかもしれない廃棄物の処理

廃掃法と排出事業者責任

廃棄物処理に関する基本ルールは「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)」で定められています。

この中で最も重要なのが、「排出事業者責任」です。
たとえ処理を委託していても、最終的な責任は排出事業者にあります。

もし委託先で不適正処理があれば、「知らなかった」では済まず、排出事業者が行政処分の対象になります。
これが、廃棄物コンプライアンスの最も恐ろしい点です。

排出事業者として、下記内容が管理できていない場合は、いつコンプライアンス違反になってもおかしくありません。

これは排出事業者として知っておくべき内容を記載しています。排出している廃棄物とどこに委託しているか。また、契約書や許可証を適正に管理できているかなど。

 

商習慣が根強く残る排出現場に課題が山積み

現場では、長年の付き合いや慣れによって「なんとなく続いている運用」が少なくありません。
しかし、そのまま放置すると廃棄物処理法違反や監査リスクにつながるケースもあります。
ここでは、現場で特に多く見られる3つの課題を紹介します。

マニフェストを業者が代行しているケース

本来、マニフェストは排出事業者が作成・管理する義務があります。
ところが実際には、処理業者が代行している現場も少なくありません。
運用上の手間を省く目的で行われがちですが、不備や誤記があった場合でも責任は排出事業者にあります。
「業者に任せていたから分からない」では済まされず、最終的な法的責任を問われる可能性もあります。

契約を巻き直さず“なあなあ”の対応に

突発的に契約外の廃棄物が発生した際、「今回は特別に回収してもらおう」と契約を更新せず対応してしまうケースも多く見られます。しかし、契約書の範囲外で処理を依頼することは委託基準違反にあたり、排出事業者・処理業者の双方にリスクが生じます。
日常的に発生する廃棄物の種類や量が変わった場合は、必ず契約書を巻き直す(再締結する)ことが重要です。

紙マニフェストの未報告

紙マニフェストを利用している場合、たとえ1枚しか発行していなくても、年度ごとの行政報告が義務づけられています。「少ないから大丈夫」は通用せず、未報告が発覚した場合は行政指導や改善命令の対象となることもあります。
電子マニフェストへ移行することで、こうした報告業務を効率化する企業も増えています。


このように、現場で続く「慣れ」や「付き合い」の運用は、知らないうちに法令違反リスクを招いている可能性があります。まずは自社の運用を見直し、正しいルールのもとで管理体制を整えることが大切です。

 

3.廃棄物管理の改善ポイントが分からない担当者の方へ

現場での運用を見直す必要性を感じながらも、「どこから着手すればいいのか分からない」「手を付ける時間がない」と感じる担当者の方は多くいます。
廃棄物管理は法令遵守・現場運用・業者対応など関係者も多く、全体を整理するのは簡単ではありません。

なぜ「どこから手を付ければいいか分からない」のか

廃棄物管理の業務は、法令遵守だけでなく現場対応や業者調整など、複数の担当領域が絡み合っています。
そのため、全体像をつかみにくく、どこを優先的に改善すべきか判断しづらいのが実情です。

まずは現状を整理し、課題を明確にすることが第一歩。課題を漠然と抱えたままでは、対策の優先順位がつけられず、結局後回しになってしまいがちです。

専門家に相談して「現状把握」から始めるのがおすすめ

「テコ入れが必要だ」と感じた時点で、まずは専門家に相談するのがおすすめです。
第三者の視点で現場を整理してもらうことで、

  • リスクが潜んでいる箇所
  • 手をつけるべき優先ポイント

を明確にできます。

当社では、現場の実務を熟知した担当者が管理状況を丁寧にヒアリングし、「どこにリスクがあるのか」「何を改善すれば効率化できるのか」を具体的に整理した上で、課題感と改善プランをご提案します。

 

 

4.まとめ

多くの企業がコンプライアンス強化に取り組む中で、特に廃棄物処理の管理は手を付けにくく、知らないうちに違反リスクを抱えてしまう分野です。

しかし、排出事業者自身で改善を進めるのは簡単ではありません。
そこで当社では、現状把握から課題改善プランの提案、業務効率化の支援までトータルでサポートいたします。

まずは、今抱えている不安や疑問をお気軽にご相談ください。

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