
拠点ごとのバラつきをなくす廃棄物管理を実現する方法| 環境報告書(サステナビリティレポート)作成に活かす仕組み

環境報告書作成を見据えた、拠点ごとのバラつきをなくす廃棄物管理
環境報告書(サステナビリティレポート)や統合報告書、TCFDレポート、SDGsレポートの作成において、多くの担当者が頭を悩ませるのが廃棄物情報の集計ではないでしょうか。拠点ごとに管理方法やデータの粒度が異なり、Excelや形式の異なる情報元から数字を集める——その結果、確認や修正に想定以上の工数がかかっているケースは少なくありません。本記事では、廃棄物情報を集計・報告する担当者の視点から、拠点ごとのバラつきをなくし、全社で統一された廃棄物管理を実現する方法を解説します。
目次
拠点ごとに異なる廃棄物情報が、集計・報告業務を難しくする
多拠点展開している企業では、廃棄物の管理自体は各拠点で問題なく行われているケースがほとんどです。しかし、それらの情報を本社で集計しようとした時に、課題が顕在化します。典型的なのが、拠点ごとに異なる廃棄物の名称や分類方法で管理されているケースです。
ある拠点では「廃プラスチック類」、別の拠点では「廃プラ」「プラスチックくず」などのように表記や粒度が揃っていない状態では、単純に数字を足し合わせることができず、都度、内容を確認・補正する作業が発生します。
特に環境報告書(サステナビリティレポート)や統合報告書などでは、
全社合計の廃棄物発生量
前年比の増減
数値の根拠や算定方法
といった点が求められるため、「なぜこの数字になるのか」を説明できない状態は大きなリスクになります。
結果として、各拠点への確認が何度も発生したり、Excelの加工・修正が属人化するといった負荷が、特定の担当者に集中してしまいます。この問題の本質は、現場の運用そのものではなく、情報の持ち方・揃え方が統一されていないことにあります。次章では、こうしたバラつきがなぜ生まれるのか、その原因をもう少し掘り下げていきます。
なぜ拠点ごとに廃棄物情報のバラつきが生まれるのか
拠点ごとの廃棄物情報にバラつきが生まれる背景には、単なる記載ミスや意識の差ではなく、構造的な要因があります。
拠点任せの運用が前提になっている
多くの企業では、廃棄物の分別・委託・マニフェスト対応といった日々の実務を、各拠点に委ねています。
そのため、
どの名称で記録するか
どの単位で集計するか
どこまで細かく管理するか
といった点が、拠点ごとの判断に任されがちです。現場としては「問題なく処理できている」ため違和感はありませんが、本社で情報を集める段階になって初めて差異が表面化します。
処理業者・契約内容の違いが、そのまま表記の違いになる
拠点ごとに委託している処理業者が異なる場合、業者独自の品目名や分類が、そのまま管理情報として使われることも少なくありません。
契約書・別表に記載された品目名
マニフェスト上の表記
請求書の品目名称
これらが統一されていないまま運用されることで、「同じ廃棄物なのに別物として扱われてしまう」 状態が発生します。
集計・報告を前提としたルール設計になっていない
日常業務では問題なく回っていても、環境報告書やサステナビリティレポートの作成を前提にした場合、
この情報で全社集計できるか
数年後も同じ基準で比較できるか
といった視点が、運用設計に十分反映されていないケースが多く見られます。
結果として、「集計のたびにルールを作り直す」「毎回Excelで無理やり整える」といった対応が常態化し、担当者の負荷が増えていきます。
“分かっている人”に作業が集中してしまう
廃棄物管理やレポート作成の経験がある担当者ほど、
表記の違いを読み替える
数値の整合性を取る
突っ込まれそうな点を先回りして調整する
といった作業を無意識に担うようになります。
その結果、業務が属人化し、引き継ぎや体制変更が難しくなるという別の課題も生まれます。
このように、拠点ごとのバラつきは「現場の問題」ではなく、情報をどう揃え、どう集約するかという設計の問題です。こうした課題を解消するためには「統一された廃棄物管理の考え方」が重要になります。
拠点ごとのバラつきをなくすために必要な廃棄物管理の考え方
拠点ごとの廃棄物情報のバラつきを解消するためには、単に「表記を揃えましょう」と指示するだけでは不十分です。
重要なのは、集計・報告までを見据えた管理の軸を持つことです。
「現場運用」と「全社集計」を切り分けて考える
まず押さえておきたいのは、現場での廃棄物処理と、本社での集計・報告は目的が異なるという点です。
現場:安全・確実に廃棄物を処理すること
本社:全社の状況を把握し、説明可能な数値を作ること
この2つを同じ視点で管理しようとすると、どこかに無理が生じます。
そのため、現場の実務を極力変えずに、集計用の情報だけを統一するという発想が重要になります。
全社共通の「管理用の廃棄物分類」を定義する
バラつきをなくすための第一歩は、全社で共通して使う「管理用の廃棄物分類」をあらかじめ決めておくことです。
例えば、
- 各拠点で定期的に発生する廃棄物については、品目名を事前に定義しておく
- 処分方法(焼却・破砕・リサイクル等)についても、決められた区分に沿って正しく報告する
といったルールを設けることで、現場ごとの判断に任せきりにせず、全社としての統一性を保つことができます。
このような「管理用の廃棄物分類」があるかどうかで、集計作業やデータ活用の難易度は大きく変わります。
「どの単位で」「どこまで集計するか」を決めておく
廃棄物情報のバラつきは、名称だけでなく集計単位の違いからも生まれます。
「㎥」なのか、「kg」なのか
月次なのか、年次なのか
拠点単位なのか、事業部単位なのか
これらを事前に決めておかないと、後から帳尻を合わせる作業が発生します。特にレポート作成を担う担当者にとっては、「毎年同じ基準で出せる」状態を作ることが重要です。
担当者が変わっても回る仕組みにする
廃棄物管理やレポート作成は、特定の担当者の経験や勘に依存した運用になりがちです。
しかし、異動や退職、業務分担の変更が発生した際に、個人依存のままでは業務が回らなくなるという大きなリスクがあります。そのため、管理ルールを明文化し、情報を一か所に集約したうえで、誰が確認しても同じ数字にたどり着ける状態を整えることが重要です。
こうした仕組みづくりは、結果的に担当者自身の負荷軽減にもつながります。
バラつきをなくすために必要なのは「仕組みで管理する」こと
前章で整理した考え方を、実務として継続的に回していくためには、人の手やExcelだけに頼らない仕組みが欠かせません。
Excel管理が限界を迎える理由
廃棄物情報の集計では、Excelが使われることが多いかと思います。確かに少数拠点・短期間であれば対応できますが、次第に以下のような問題が表面化します。
拠点ごとにフォーマットが微妙に違う
集計ルールを覚えている人しか直せない
年度が変わるたびに「去年のファイル」を探す
修正履歴や根拠が追えない
特にレポート作成のタイミングでは、「数字はあるが、自信をもって説明できない」状態に陥りがちです。
情報を一元化すると、管理の視点が変わる
廃棄物情報を一元管理することで得られるメリットは、単に「集計作業が楽になる」ことだけではありません。
拠点ごとの廃棄物発生量の違いや、品目ごとの傾向が可視化されるほか、過去データとの比較も容易になります。
その結果、廃棄物データは「報告のためにまとめる数字」から、課題の把握や改善判断に活用できる情報へと変わっていきます。
このような状態を実現するためには、
- 廃棄物の名称や分類が全社で統一されていること
- 拠点・期間・品目といった軸で情報が整理されていること
といった、データ管理の仕組みづくりが欠かせません。
EDI連携システムの活用
環境報告書やサステナビリティ関連のレポートでは、数値の正確性と根拠がますます重視されています。
その中で、電子マニフェスト(JWNET)とEDI連携したシステムでの管理は、昨今注目されています。
産業廃棄物以外の一般廃棄物や有価物の情報も一元管理ができる
JWNETのデータを可視化(csvをダウンロードしてデータを加工する必要がない)
EDI連携をすることで、JWNETでは管理しきれなかった廃棄物情報や可視化のためのデータの加工が不要になる点がメリットです。
エコロジネットプラスで実現できる管理のかたち
こうした課題を踏まえたうえで、廃棄物管理を仕組み化する手段のひとつが エコロジネットプラスです。
エコロジネットプラスでは、
電子マニフェストを自動で登録、実績をレポートで可視化
拠点ごとの廃棄物情報を一元管理(契約書や許可証の管理も可能)
全社共通の分類で集計・比較が可能(㎥単位の計量でも換算係数を用いてkg表記が可能)
といった形で、「拠点の業務も効率化」と「全社での適正な集計」を無理なくつなぐことができます。
現場の運用を大きく変えずに、レポート作成や集計業務の負荷を下げられる点は、環境・総務部門やサステナビリティ担当者にとって大きなメリットと言えるでしょう。
まとめ
環境報告書(サステナビリティレポート)や統合報告書の作成では、廃棄物発生量などの情報を正確に集計・管理することが求められます。
エコロジネットを活用すれば、電子マニフェストの実績データをもとに、拠点ごとの廃棄物情報を一元的に管理することが可能です。また、廃棄物情報の整理・集約を仕組み化することで、環境報告書作成担当者の業務負担を大きく軽減できます。
データの集計や管理に課題を感じている方は、お気軽にご相談ください。
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